新型コロナってまだ怖いの?

新型コロナウイルスは変異を続けており、
65歳以上の高齢者や基礎疾患(持病)を持つ人などでは特に注意が必要です。
適切な予防策や、万が一感染した場合の対応について、
正しい情報を知っておきましょう。

監修:

国際医療福祉大学医学部感染症学講座 代表教授
国際医療福祉大学成田病院感染制御部 部長 松本哲哉先生

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01 いつ流行る?

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02 インフルエンザとの
違いは?

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03 注意が必要な人は?

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04 予防策は?

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05 感染したらどうする?

お知らせ

新型コロナワクチンの「任意接種」について

現在も新型コロナウイルスの変異株の出現が続いており、新型コロナは流行を繰り返しています1)(詳細は「01 いつ流行る?」をご参照ください)。
新型コロナワクチンについて、生後6ヵ月~64歳の方は任意接種として接種することができます1)。また、定期接種の対象の方が定期接種のタイミング以外で接種する場合についても、任意接種として接種することができます2)

接種が推奨される方1)

  • 基礎疾患(持病)を有する方
  • 中等度から重度の免疫不全の方
  • 新型コロナの発症からおおむね3ヵ月以上経過している方
  • 65歳未満の基礎疾患(持病)のない健常な方

[医療関係者や社会福祉施設の職員などを含む]

注)任意接種の接種費用には自治体からの費用助成はなく、全額自己負担になります。詳細は、かかりつけ医にご相談ください。

新型コロナワクチンの「定期接種」について

2024年度以降は、毎年度秋冬に定期接種として行われています3)。定期接種に用いる新型コロナワクチンの種類(ワクチンに含まれる株)について、当面は毎年見直す方針が示されています4)

厚生労働省のウェブサイトに定期接種に関する最新情報が掲載されています。あわせてご確認ください。

厚生労働省 Ministry of Health, Labour and Welfare
最新情報はこちら

定期接種の対象5)

  • 65歳以上の方
  • 60~64歳で対象となる方

[心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方]

注目

対象となる方は、接種券が届かなくても接種いただけます。

定期接種の期間・自己負担額は自治体ごとに異なります。お住まいの自治体のウェブサイトなどでご確認ください。

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01 いつ流行る?

パンデミックが落ち着いてからも新型コロナに感染した方や、新型コロナで入院した方が途切れることなく報告されています(2023年5月8日以降)1)。また、新型コロナウイルスは変異を繰り返しています。変異が起こると、ウイルスの性質が変わることもあります。感染力が強くなる、一度できた体内の免疫から逃れる(免疫逃避)といった変異が起こると、すでに感染した人も再感染する可能性が高くなります2)。そんなやっかいな新型コロナウイルス感染症。感染の脅威から身を守るためには、引き続き感染対策が必要です。
新型コロナの定点医療機関あた
りの報告数の推移(全国)1)
日本全国の新型コロナ定点報告数推移グラフ
  • 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行してからの2023年5月8日以降の報告数の推移を示しています。
  • 2023年5月7日以前の数値は、HER-SYSデータに基づく定点医療機関からの患者数(参考値)です。一部の都道府県については、都道府県の集計に基づく内容を示しています。
  • 2025年4月7日以降の数値は、急性呼吸器感染症サーベイランス開始による定点医療機関設置基準の変更に伴い定点数が変更されているため、データの解釈には留意が必要です。
  • 「定点医療機関あたりの報告数」は、あらかじめ指定された医療機関(全国で約3,000ヵ所)から報告された患者数を示しています3)
新型コロナによる入
院患者数の推移1)
日本全国の新型コロナ入院患者数推移グラフ
  • 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行してからの2023年5月8日以降の入院患者数の推移を示しています。
  • 2023年9月24日以前の数値は、G-MISデータに基づく定点医療機関における新規入院患者数(参考値)です。
  • G-MISに入力されたデータのうち、2023年9月25日時点で各自治体が指定した基幹定点のリストに基づき抽出したデータを集計したものですが、定点は地域の実情に応じて、変更される可能性があります。
  • 「入院患者数」は、調査の対象となっている医療機関(約500ヵ所)から届出のあった入院患者数を示しています。

attention

02 インフルエンザとの違いは?

インフルエンザは感染症法上、「5類感染症」に位置づけられています。新型コロナも2023年5月8日に「2類感染症」から「5類感染症」に位置づけが変わり、インフルエンザと同じ扱いになりました。そのため、「今はもうインフルエンザと同じ」と考えている方がいらっしゃるかもしれません。しかし、法律上の扱いがインフルエンザと同じだとしても、油断はできません。
  • 「2類感染症」とは:感染力及び罹患した場合の重篤性からみた危険性が高い感染症1)
  • 「5類感染症」とは:国が感染症発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を国民一般や医療関係者に提供・公開していくことによって、発生・まん延を防止すべき感染症1)

新型コロナで亡くなる方はインフルエンザより多いことが示されました2)

初めて日本で新型コロナが確認された2020年以降、いずれの年もインフルエンザより新型コロナで亡くなる方が多いことが示されました。新型コロナで亡くなった方は2022年で47,638人、2023年で38,086人、2024年で35,865人であり、いずれの年も3万人を超えていました。一方、インフルエンザで亡くなった方は2022年で24人、2023年で1,383人、2024年で2,857人でした2)
2025年1~8月の新型コロナによる死亡者数は16,212人で、このうち65歳以上の方が約97.6%(15,825人)を占めていました3)

新型コロナとインフルエンザで亡く
なった方(2020~2024年)1)
新型コロナとインフルエンザの死亡者を比較するグラフ

高齢の方は重症化しやすいため、注意が必要です4)

新型コロナは年齢が上がるほど重症化しやすいことがわかっています。重症化リスクは、60代で約25倍、70代で約47倍、80代に至っては約71倍でした4)

30代と比較した場合の新型コロナの
重症化リスク※, 4)

30代を基準とした年代別の新型コロナ重症化リスクの比較図

30代と比較した重症化リスク

  • ※: ここでは、新型コロナウイルス感染症と診断された方(無症状を含む)のうち、集中治療室での治療や人工呼吸器等による治療を行った方または死亡した方の割合(倍率)のことを「重症化リスク」としています。

新型コロナで入院した方の8割超が60歳以上でした5)

2025年1月(2024年12月30日以降)~12月に新型コロナで入院した方は64,616人で、60歳以上が84.0%、80歳以上が約半数(50.5%)を占めていました5)

新型コロナで入院した方の年齢別割合(2025年)5)
新型コロナで入院した方の年齢別割合(2025年)5)
  • 2025年1月(2024年12月30日以降)~12月に入院した方の合計(入院日を登録)

新型コロナは日本人の死因の第8位でした1)

日本人の死因についてみてみると、新型コロナは第8位でした1)

日本人の主な死因(2024年)1)
2024年における日本人の主な死因を示す円グラフ

感染後に長引く症状(後遺症)が残ることがあります6)

新型コロナに感染し、入院し、退院した方の約30%は、診断から1年(12ヵ月)経っても何らかの後遺症に悩まされていることが報告されました6)
主な症状には、疲労感・倦怠感、睡眠障害、集中力低下などがあり、日常生活に支障が出ることもあります。後遺症についてはわかっていないことも多く、標準的な治療法も確立していないのが現状です7)

診断12ヵ月後に何らかの症状が残っ
ていた方の割合6)
新型コロナと診断されてから12ヶ月後に何らかの症状が残っていた方の割合を示す円グラフとピクトグラム
  • 対象: 2020年1月~2021年2月に新型コロナウイルスに対するPCRもしくは抗原検査陽性で入院し、退院した18歳以上の患者1,066例(男性:679例、女性:387例/入院中の重症度評価が可能であった985例、無症状:39例、軽症:208例、中等症Ⅰ:412例、中等症Ⅱ:226例、重症:100例)
  • 方法: 関東を中心とした北海道、九州を含む全国27施設において、関連する診療科の専門家の意見を統合した症状に対する問診項目を網羅的に作成し、研究対象から自覚症状について回答を得た。

気を付けたい後遺症の1つに「ブレインフォグ(頭の中に霧がかかったような状態)」があります7)。

「記憶障害」「集中力の低下」「頭がボーっとする」などの症状をきたす「ブレインフォグ(頭の中に霧がかかったような状態)」がみられることがあります7)。気を付けたい後遺症の症状の1つです。

記憶障害、集中力の低下、頭がボーっとするなどの症状について悩む人のイラスト

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03 注意が必要な人は?

65歳以上であることや基礎疾患(持病)がある場合などで
重症化のリスクが高まることがわかっています1)

新型コロナは年齢が65歳以上であること、肥満、喫煙などの生活習慣、基礎疾患(持病)がある場合などで重症化のリスクが高まることがわかっています。また、下記の重症化にかかわる項目のうち、複数の項目が当てはまる場合や持病の管理が良くない場合、重症化のリスクはさらに高まります1)
1つでも当てはまる項目がある方は、万が一感染した場合に備え、取るべき行動についてかかりつけ医に相談してみてはいかがでしょうか?

新型コロナの重症化にかかわる項目1)

年齢
  • 65歳以上
体型
  • 肥満がある(BMIが30以上)
生活習慣
  • タバコを吸う(現在および過去)
  • 運動不足
基礎疾患(持病)

以下のような持病や既往歴がある

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • がん
  • 慢性の肺の病気(COPDなど)
  • 慢性の腎臓の病気
  • 心臓の血管の病気(心筋こうそく、狭心症など)
  • 脳の血管の病気(脳こうそく、脳出血など)
  • HIV感染症
  • 臓器移植による免疫不全 など
  • ステロイド等の免疫を抑える薬を使っている
妊娠
  • 妊婦(妊娠後半期)
上記に加えて、男性は女性に比べて重症化や死亡のリスクが高いことが報告されています。
  • BMI: 体格指数 [計算]BMI=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}
  • COPD: 慢性閉塞性肺疾患、HIV:ヒト免疫不全ウイルス
  • 1) 厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第10.1版:9, 26, 2024 https://www.mhlw.go.jp/content/001248424.pdf

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04 予防策は?

新型コロナにできるだけかからないようにするためには、引き続き日ごろからの感染対策が重要です。ご自身の感染を防ぎ周囲の人を守るために、感染防止の「5つの基本」1)を参考に、感染対策を続けましょう。

続けよう!感染防止の
「5つの基本」1)

体調不安や症状があるときは無理せず自宅療養か受診する

その場に応じたマスクの着用や咳エチケットの実施

換気を行う、密集・密接・密閉(3密)を回避

手洗いを日常の生活習慣に取り入れる

適度な運動、健康状態に応じた食事などの生活習慣を取り入れる

かかりつけ医のイメージ

かかりつけ医のイメージ

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05 感染したらどうする?

新型コロナウイルス感染症は、重症化リスクの有無によって適切な対処法が異なります。万が一感染した場合に備えて、あらかじめご自身やご家族の重症化リスクの有無について確認しておきましょう。
症状が出たら早めに検査を受け、陽性と判明したら速やかに抗ウイルス薬などを用いた治療を開始することにより、重症化を防ぐ効果が示唆されています1)。重症化リスクの高い方は、疑わしい症状が出たら躊躇せず、早めに医療機関を受診し、陽性だった場合には適切な治療を受けることをお勧めします。

重症化リスクの高い方・低い方の
対処法(例)2)

  • 重症化リスクの高い方(高齢者・基礎疾患のある方など)
  • 症状がつらい方

まずは医療機関に連絡してください。かかりつけ医がいる場合は、かかりつけ医にご相談ください。陽性だった場合、医師の判断により入院または自宅療養となります。

高齢者・基礎疾患のある方など 高齢者・基礎疾患のある方など

  • 重症化リスクの低い方(高齢でない、基礎疾患を有さない方など)
  • 症状が軽い方

国が承認した検査キット(新型コロナ抗原定性キット)を用いて自己検査を行ってください。陽性だった場合、自宅療養となります。陰性だった場合でも、症状がある場合はマスクを着用し、手洗いなどの基本的な感染予防対策を行いましょう。

高齢者・基礎疾患のある方 以外の人

発熱などの症状がある場合の判断基準・対応手順
新型コロナ抗原定性キットや解熱鎮痛薬、医療機関の連絡先2)を事前に準備しておくと安心です。体調が悪くなった場合に備えて、準備しておきましょう。
  • 新型コロナ抗原定性キット国が承認した「体外診断用医薬品」を選んでください。「研究用」は国が承認したものではありません。
  • 解熱鎮痛薬
  • 医療機関の連絡先
体調不良に備えて、準備しておきましょう 体調不良に備えて、準備しておきましょう
あくまで個人の判断となりますが、発症日を0日目として翌日から5日間は外出を控えるようにしましょう。発熱やのどの痛みなどの症状が軽くなった場合でも、軽くなってから24時間経過するまでは外出を控え、様子を見ることが推奨されています。また、発症後10日が経過するまでは、マスクの着用や、高齢者や基礎疾患のある方などとの接触を控えるなど、周りにうつさないよう配慮しましょう。その後も咳やくしゃみなどの症状が続く場合は、マスクの着用などの咳エチケットを心がけるようにしてください3)

療養期間の行動について(例)3)

療養期間中の行動制限と周囲への配慮の段階的指針の図
新型コロナに感染した方の濃厚接触者であっても、行動が制限されることはありません。濃厚接触者であることを特定されることもありません。

ご家族が感染した時の対処法4)

  • ご家族や同居されている方が新型コロナにかかった場合は、可能であれば部屋を分け、感染されたご家族のお世話はできるだけ限られた方で行うよう注意してください。この際、心臓、肺、肝臓に持病のある方、糖尿病の方、免疫の低下がみられる方、妊婦の方は、感染した時の重症化リスクが高いため、感染した方のお世話をするのは避けてください。
  • 新型コロナにかかった方の発症日を0日として、特に翌日から5日間はご自身の体調に注意してください。7日目までは発症する可能性があります。
  • 外出の制限はありませんが、外出する際は人混みを避け、マスクを着用しましょう。また、高齢者や重症化リスクのある方との接触は控えるなど配慮しましょう。

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