ジフテリアはどんな病気?
ジフテリアは、ジフテリア菌という細菌が引き起こす感染症です1,2)。感染した場所で増えたジフテリア菌が出す毒素が、血流に入ると、心臓・肝臓・腎臓や全身の筋肉・神経を障害してしまいます1-3)。
ジフテリアは、ジフテリア菌という細菌が引き起こす感染症です1,2)。感染した場所で増えたジフテリア菌が出す毒素が、血流に入ると、心臓・肝臓・腎臓や全身の筋肉・神経を障害してしまいます1-3)。
ジフテリア菌は、主に既に菌をもっている人のせきやくしゃみなどで飛び散った小さな唾(つば)のしぶきを吸い込んで感染します(飛沫感染:ひまつかんせん)2)。また、感染した皮膚などに触れた後に、目や鼻、口をさわったりすると感染することもあります(接触感染)4)。
ジフテリアは感染してから、約2~5日で症状が出るとされています5,6)。発熱やのどの痛み、飲み込みにくい、声がれ、鼻水といった症状から始まります4,7)。また、のどや鼻の粘膜に白~灰白色の膜ができたり、首のリンパ節がはれたりします2,4,7)。
ジフテリアにかかると、5~10%(無治療だと最大で50%)の人が亡くなるとされています5)。とくに心筋炎には注意が必要で、突然、死んでしまうこともあります6,7)。
【子ども】
かかりつけの小児科や耳鼻咽喉科などに相談してみましょう。
【大人】
まず、かかりつけの内科などへの受診をご検討ください。
ワクチンを接種することで、ジフテリアの発病を予防できます1,2)。ジフテリアは1999年を最後に日本で発生していませんが2,4)、接種率が下がると再び発生する可能性はあります2)。
【子ども】
小児科のある病院・クリニックなどの多くで接種できます。
【大人】
ジフテリアを含むワクチン(三種混合、二種混合)を用いて、大人でも内科などで任意接種でワクチンを受けられます。お近くの医療機関を検索するか、かかりつけ医などにお問い合わせください。
ジフテリアを予防するワクチンには、以下の4種類があります1,8,9)。
定期接種は原則無料です。任意接種は費用(原則自己負担)がかかります(定期/任意接種についてはこちら)。
【子ども】
ワクチンは定期接種で、四種混合の接種が多く行われていましたが10-12)、2024年4月から五種混合が定期接種化されました。使用するワクチンは五種混合が基本となります。当面の間は四種混合も使用できますが8)、四種混合の販売が終了となるため、四種混合で接種を開始している方は、早めに接種を計画してください。四種混合の在庫がなくなった場合、五種混合に切り替えて接種できます13)。
[五種混合(注射)]
五種混合の一般的な接種スケジュールは、これまでの四種混合とHib(ヒブ)ワクチンを参考に作成されており、「1期:生後2ヵ月~2歳になるまでにワクチンを4回接種(生後2ヵ月から1回目の接種を始める)」になります8,11)。
[四種混合/三種混合(注射)]
四種混合/三種混合の一般的な接種スケジュールは、「1期:生後2ヵ月~2歳になるまでにワクチンを4回接種(生後2ヵ月から1回目の接種を始める)」になります11-12,14)。
[二種混合(注射)]
2期:11~13歳未満に1回接種します11-12,14)。
2022年度「定期の予防接種実施者数」(厚生労働省)によると、4回の四種混合ワクチン接種が完了した子どもの割合(実施率)は91.8%でした10)。
五種混合ワクチンの主な副反応は接種部位の局所反応(はれや痛みなど)、発熱など、重い副反応としてアナフィラキシー(重いアレルギー反応)などがあらわれることがあります2)。