B型肝炎はどんな病気?
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスによって引き起こされる感染症です1,2)。B型肝炎ウイルスに感染すると肝臓の細胞がこわれたり、肝臓の働きが悪くなったりします2)。
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスによって引き起こされる感染症です1,2)。B型肝炎ウイルスに感染すると肝臓の細胞がこわれたり、肝臓の働きが悪くなったりします2)。
B型肝炎ウイルスは、血液や体液から感染します2)。ウイルスに汚染された血液や体液が皮膚や粘膜から入って感染することがあり、性行為でうつることもあります1,2)。また、B型肝炎ウイルスに感染した母親から生まれた赤ちゃんは、生まれた時点で感染していることがあります(母子感染、垂直感染などといいます)1,2)。
B型肝炎ウイルスに感染してから症状が出てくるまでの期間は60~90日ほどで2)、発熱(微熱)、食欲不振、だるさ、吐き気・嘔吐(おうと)などがみられた後、肝炎に特徴的な黄疸(おうだん)が出てくることがあります3)。黄疸が出るのは、子どもでは10%以下、成人だと30~50%とされています3)。
多くの場合、上記の症状は改善します2-4)。ただ、赤ちゃんや免疫力が不十分な状態のときはB型肝炎ウイルスが増殖し、再活性化することがあります2-4)。
また、一部の人では慢性化する可能性があり、肝硬変に至ったり、肝がんへ進展することがあります5)。
発熱(微熱)、食欲不振、だるさ、吐き気・嘔吐、黄疸といった症状がある場合、大人は内科など、子どもは小児科などにかかるのがよいでしょう。子ども・大人とも、まずはかかりつけ医などに相談してください。
B型肝炎の定期接種は、人から人(例:友達間、パートナー間、輸血を介してなど)へうつる水平感染の予防対策として接種されます3)。母親がB型肝炎ウイルスに感染している場合は、母親から子どもに感染すること(母子感染)を予防するためにワクチンを接種します2)。
【子ども】
小児科のある病院・クリニックなどの多くで接種できます。
【大人】
B型肝炎に感染するリスクが高い職業についている人や、感染リスクの高い地域に渡航する場合には、ワクチン接種が勧められています1)。B型肝炎ワクチンは、大人でも内科などで任意接種でワクチンを受けられます。お近くの医療機関を検索するか、かかりつけ医などにお問い合わせください。
B型肝炎の予防を期待できるワクチンは2種類(注射)あります。
定期接種は原則無料です。任意接種は費用(原則自己負担)がかかります(定期/任意接種についてはこちら)。
母子感染を予防するため、出生直後に赤ちゃんにB型肝炎ワクチンを使用した場合は、定期接種ではなく、健康保険での接種になります(詳しくは以下を参照)5-8)。
【子ども】
定期接種では、3回接種が一般的です。
B型肝炎ウイルスに感染している母親から生まれた子どもに対しては「B型肝炎母子感染防止対策」として、出生直後からB型肝炎ワクチンおよびB型肝炎ウイルスの感染を予防する抗体(免疫グロブリン)が用いられます(健康保険適用)5)。
2022年度「定期の予防接種実施者数」(厚生労働省)によると、3回のB型肝炎ワクチン接種が完了した子どもの割合(実施率)は94.3%でした11)。
赤ちゃんに接種されるB型肝炎ワクチンの主な副反応としては、接種後に発熱、発疹(ほっしん)、接種部位の痛み・かゆみ・はれ・しこり・赤み、吐き気、下痢、食欲減退などがみられることがあります2)。