Hib(ヒブ)感染症はどんな病気?
Hib(ヒブ)感染症は、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Haemophilus influenza type b)という細菌が引き起こします1)。頭文字をとって「Hib(読み方:ヒブ)」と呼ばれます。
なお、毎年、冬に流行するインフルエンザはウイルスが引き起こす別の感染症です2)。
Hib(ヒブ)感染症は、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Haemophilus influenza type b)という細菌が引き起こします1)。頭文字をとって「Hib(読み方:ヒブ)」と呼ばれます。
なお、毎年、冬に流行するインフルエンザはウイルスが引き起こす別の感染症です2)。
Hib(ヒブ)は、主に人ののどや鼻の奥にいて、せきやくしゃみなどで飛び散った小さな唾(つば)のしぶきを吸い込んで感染(飛沫感染:ひまつかんせん)します。また、皮膚やおもちゃなどに付いた菌に触れた後に、目や鼻、口をさわって感染(接触感染)することもあります2,3)。
ワクチンを接種していない5歳未満の子どもが最も重篤なHib感染症のリスクを有しています3)。とくに乳幼児で発生に注意が必要で、症状がないまま菌をもって生活している乳幼児も多くいます。主に気道の分泌物により感染し、肺炎、敗血症(はいけつしょう)などの重い病気を引き起こすことがあります1)。そのほかに、細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)を引き起こすこともあり、発熱や嘔吐(おうと)、頭痛、けいれんなどの症状で発症します4,5)。
Hib(ヒブ)にかかった人での死亡率は3~6%で、髄膜炎(ずいまくえん)になると15~30%の子どもに難聴などの後遺症が残るとされています6)。
【子ども】
かかりつけの小児科などに相談してみましょう。
【大人】
まず、かかりつけの内科などへの受診をご検討ください。
けいれんや頭痛などの症状がみられる場合は、救急外来への受診も考えましょう。
ワクチンを接種することで、重いHib(ヒブ)感染症にかかるリスクを減らすことができると報告されています1,2,6)。
【子ども】
小児科のある病院・クリニックなどの多くで接種できます。
【大人】
免疫不全や無脾症(むひしょう:脾臓(ひぞう)がない/手術で取った人)などの病気をもつ人は、Hib(ヒブ)感染症にかかるリスクが高いと言われています3)。そのような場合は大人でも内科などで任意接種でワクチンを受けられます。お近くの医療機関を検索するか、かかりつけ医などにお問い合わせください。
Hib(ヒブ)感染症を予防するワクチンには、以下の2種類があります1,7)。
定期接種は原則無料です。任意接種は費用(原則自己負担)がかかります(定期/任意接種についてはこちら)。
【子ども】
ワクチンは定期接種で、Hib(ヒブ)ワクチン単独の接種が行われていましたが8-10)、2024年4月から五種混合が定期接種化されました。使用するワクチンは五種混合が基本となります。当面の間はHib(ヒブ)ワクチン単独も使用できますが1,7,11)、四種混合の販売が終了となるため、Hib(ヒブ)ワクチン+四種混合で接種を開始している方は、早めに接種を計画してください。四種混合の在庫がなくなった場合、 Hib(ヒブ)ワクチンの接種を完了している方でも五種混合に切り替えて接種できます8,12)。
[五種混合]
五種混合の一般的な接種スケジュールは、これまでの四種混合とHib(ヒブ)ワクチンを参考に作成されており、「生後2ヵ月~2歳になるまでにワクチンを4回接種(生後2ヵ月から1回目の接種を始める)」になります1,7,9)。
総接種回数は、7~11カ月で初回接種した場合は3回、1~4歳で初回接種した場合は1回となります9)。
【大人】
Hib(ヒブ)ワクチン単独を用いて任意接種として接種を受けることができます。
2022年度「定期の予防接種実施者数」(厚生労働省)によると、4回のHib(ヒブ)ワクチン単独接種が完了したお子さんの割合(実施率)は94.8%でした13)。
五種混合ワクチンの主な副反応は接種部位の局所反応(はれや痛みなど)、発熱など、重い副反応としてアナフィラキシー(重いアレルギー反応)などがあらわれることがあります11)。またHib(ヒブ)ワクチン単独の主な副反応は、注射部位の異常(赤み、痛み、はれなど)などが報告されています2)。