日本脳炎はどんな病気?
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスによって引き起こされる感染症です1-4)。1871年に日本で初めて報告されました5)。
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスによって引き起こされる感染症です1-4)。1871年に日本で初めて報告されました5)。
日本脳炎ウイルスは、人から人への感染はありません3,4)。ブタやイノシシの体内で増えたウイルスを、水田や沼地に生息するコガタアカイエカという蚊が媒介して、人に感染します2,4)。
感染後、症状が出てくるまでの期間は6~16日間程度とされています2,4)。突然、高熱(38℃以上)や頭痛、吐き気、嘔吐(おうと)、めまいなどの症状が出てきます1,2)。また、意識障害や麻痺(まひ)、けいれん、脳炎などを起こすこともあります1-3)。
1990年代以降、国内で日本脳炎の発症は年間10例程度です3,4)。ただ、発症者の死亡率が20~40%と高く、発症者の30~50%は後遺症も抱えるとされています1,2,5)。子どもでは重度の障害を残すことが多く、注意が必要です2)。
【子ども】
かかりつけの小児科などに相談してみましょう。
【大人】
まず、かかりつけの内科などへの受診をご相談ください。
日本脳炎は発症すると死に至ったり、重度の後遺症が残る可能性が高まります。現在、日本脳炎には有効な治療法がないことから1,2)、ワクチンで発症を予防することが重要です1,2)。
【子ども】
小児科のある病院・クリニックなどの多くで接種できます。
【大人】
大人でも内科などで任意接種でワクチンを受けられます。お近くの医療機関を検索するか、かかりつけ医などにお問い合わせください。
不活化ワクチンなので、数回に分けて接種して免疫力を強めます。
定期接種で、4回接種します。
2022年度「定期の予防接種実施者数」(厚生労働省)によると、1期1回目、1期追加(3回目)、2期(4回目)の日本脳炎ワクチンを接種した子どもの割合(実施率)はそれぞれ106.5%、127.5%、124.4%でした9)。
日本脳炎ワクチンの主な副反応は、接種部位の局所反応(はれなど)、発熱など、またアナフィラキシー(重いアレルギー反応)や急性散在性脳脊髄炎(きゅうせいさんざいせいのうせきずいえん:脳や脊髄に炎症がおこる病気)などの重い副反応がみられることがあります3)。
日本脳炎ワクチンについては、2021年のワクチンの供給不足により(2022年に供給は回復)、接種が完了していない子ども(特に2017年度生まれと、2012年度生まれの子ども)がいる可能性があるため、接種が完了しているか母子健康手帳などでご確認ください10)。