肺炎球菌感染症はどんな病気?
肺炎球菌(はいえんきゅうきん)感染症は、肺炎球菌という細菌が引き起こします1)。肺炎の主な原因菌で、成人(18歳以上)肺炎の25~40%を占めます2,3)。また、肺炎以外の病気や症状も引き起こします。
肺炎球菌(はいえんきゅうきん)感染症は、肺炎球菌という細菌が引き起こします1)。肺炎の主な原因菌で、成人(18歳以上)肺炎の25~40%を占めます2,3)。また、肺炎以外の病気や症状も引き起こします。
主に、肺炎球菌感染症にかかった人や、肺炎球菌を体内にもっていながらも症状が出ない人(保菌者といいます)のせきやくしゃみで飛び散った小さな唾(つば)のしぶきを吸い込むことで感染します(飛沫感染:ひまつかんせん)1)。また、菌の付いたものに触れて吸い込むと感染することもあります(接触感染)3)。
高齢者の肺炎球菌感染症で注意しなければならないのは、肺炎による症状です。かぜの症状に似ていますが、肺炎を発症した場合は息苦しさから呼吸の回数が早くなったり、酸素投与が必要となったりします。また、肺炎球菌は中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎に加え、髄膜炎(ずいまくえん)や敗血症(はいけつしょう)といった重い病気を引き起こすこともあります2)。
かぜに似た症状であれば、まずはかかりつけの内科などを受診してみましょう。中耳炎や副鼻腔炎を疑う耳痛、頭痛、鼻づまりなどがある場合は、耳鼻咽喉科なども選択肢となります。
肺炎球菌ワクチンを接種することで、体の中に抗体(こうたい:病原体などの異物を排除するために働く物質)ができ、肺炎球菌に対する免疫がつくられます。肺炎など肺炎球菌による感染症の発症を予防し重症化を防ぐことが期待されます2-4,注1)。
内科などでワクチンを受けられます4)。お近くの医療機関を検索するか、かかりつけ医などにお問い合わせください。
高齢者の肺炎球菌ワクチンは複数あります。任意接種ではいずれのワクチンも接種可能です。詳しくは担当医に相談ください。一方で、定期接種で使用できるワクチンは指定されています。
定期接種は、ワクチンの自己負担額が国によって補助されています4)。任意接種の場合も、自治体がワクチンの費用を補助していることがありますので、お住まいの自治体に確認ください(定期/任意接種についてはこちら)。
定期接種の機会は生涯で1回(一般的には65歳の1年間)です4)。
2022年度「定期の予防接種実施者数」(厚生労働省)によると、高齢者用肺炎球菌ワクチンを定期接種した人の割合(実施率)は33.5%でした5,注2)。
主な副反応として、接種部位の症状(赤み、熱感、痛み、はれ、皮膚が硬くなるなど)、筋肉痛、だるさ、違和感、悪寒(おかん)、頭痛、発熱など、重い副反応として、アナフィラキシー様反応、血小板減少、ギランバレー症候群、蜂巣炎(ほうそうえん)様反応などがみられることがあります4)。