ロタウイルス感染症はどんな病気?
ロタウイルス感染症は、ロタウイルスによって引き起こされ、とくに乳幼児期にかかりやすい感染症です1,2)。幼稚園・保育園・こども園などで大流行することがあります。
ロタウイルス感染症は、ロタウイルスによって引き起こされ、とくに乳幼児期にかかりやすい感染症です1,2)。幼稚園・保育園・こども園などで大流行することがあります。
ロタウイルスは感染した人の便の中に多く存在していて、その便が付いた手指や食器などから口に入ると感染してしまいます(糞口感染:ふんこうかんせん)。ロタウイルスは感染力が非常に強く、5歳までにはほぼ全員がロタウイルスに感染するといわれています1-4)。
感染してから症状が出てくるまでの期間は48時間以内とされています4)。通常、発熱(39℃以上になる場合あり)と嘔吐(おうと)から始まり、次いで特徴的な症状である水のような激しい下痢(急性胃腸炎)になります1-5)。とくに、最初にロタウイルスに感染したとき(初回感染)は下痢や下痢に伴う脱水などの症状が重くなりがちで4,5)、入院が必要なこともあり、亡くなることもあります1-4)。その他、腹痛などの症状が出ることもあります1)。なお、成人も発症することがあります3,4)。
まずはかかりつけ医などを受診しましょう。
【子ども】
かかりつけの小児科などに相談してみましょう。とくに、赤ちゃん・お子さんが激しい下痢や嘔吐を繰り返すと脱水症を起こしやすいので、早めに受診しましょう。
【大人】
大人の場合は、自然軽快することが多いですが、症状が重篤であったり遷延する場合は、かかりつけの内科などへの受診をご検討ください。
ロタウイルス感染症の予防、とくに、乳幼児における初回感染での重症化(急性胃腸炎での下痢や嘔吐の重症化)を予防します4,5)。
【子ども】
小児科のある病院・クリニックなどの多くで接種できます。ただし接種ができる月齢は限定されています。
【大人】
大人もロタウイルスに感染・発症することはありますが3)、ロタウイルスワクチンの接種対象ではありません。
ロタウイルス感染症の予防が期待できるワクチンには「5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン(5価ワクチン)」と「経口弱毒生ヒトロタウイルスワクチン(1価ワクチン)」の2種類があり1)、どちらも口から飲むタイプのワクチンです。
ロタウイルスワクチンは2020年10月1日から定期接種化されました。定期接種は原則無料です(定期/任意接種についてはこちら)。
【子ども】
定期接種で2種類のロタウイルスワクチンのうちいずれかを接種します。ただし、接種スケジュールはワクチンの種類ごとに異なります。また、原則として2回目以降も同じワクチンを続けて接種します。
3回接種します。
2回接種します。
2022年度「定期の予防接種実施者数」(厚生労働省)によると、規定回数(1価ワクチンは2回、5価ワクチンは3回)のロタウイルスワクチン接種が完了した子どもの割合(実施率)は合計93.9%でした9)。
ロタウイルスワクチンの主な副反応として、接種後に、嘔吐、下痢などがみられることがあります1,2)。まれですが注意が必要な副反応は、腸の一部が隣りあう腸管にはまり込む腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)です1,2)。接種から1~2週間程度の間に以下のような症状がみられた場合は、たとえ夜間であっても速やかに医療機関を受診し、ロタウイルスワクチンを接種したことを伝えてください2)。