破傷風はどんな病気?
破傷風(はしょうふう)は破傷風菌という細菌が引き起こす感染症で、子どもから大人まで発症する可能性がある病気です1,2)。破傷風菌の毒素が神経に作用して、筋肉のけいれんやこわばりの原因になります3)。
破傷風(はしょうふう)は破傷風菌という細菌が引き起こす感染症で、子どもから大人まで発症する可能性がある病気です1,2)。破傷風菌の毒素が神経に作用して、筋肉のけいれんやこわばりの原因になります3)。
主に、土の中にいる破傷風菌が傷口から侵入して人に感染します1-3)。人から人へ感染することはありません2)。なお、清潔ではない場所での出産や不適切なへその緒の処置で赤ちゃんが破傷風にかかることがありますが(新生児破傷風)、日本においては清潔な出産が一般的であり、また、妊娠出産年齢の女性がワクチンを接種しているため、1995年以降、報告はありません3)。
感染してから症状が出るまで2~5日程度とされています4)。口が開けにくい・顔の筋肉やのどのけいれん・飲み込みにくい、といった症状が特徴です1-6)。
破傷風の致命率(患者数に対する死亡者の割合)は日本では、現在、10~20%とされています3)。
【子ども】
かかりつけの小児科などに相談してみましょう。
【大人】
かかりつけの内科などの受診をご検討ください。
ワクチンを反復して接種することにより、100%に近い人が破傷風菌に対する抗体(こうたい:病原体などの異物を排除するために働く物質)を得ることができるとされています1,2)。
【子ども】
小児科のある病院・クリニックなどの多くで接種できます。
【大人】
けがをしたとき、救急外来などで破傷風の予防措置として健康保険適用で接種されることがあります5,6)。大人でも内科などで任意接種でワクチンを受けられます。お近くの医療機関を検索するか、かかりつけ医などにお問い合わせください。
破傷風を予防するワクチン(注射)には、以下の5種類があります1,6,7)。
定期接種は原則無料です。任意接種は費用(原則自己負担)がかかります(定期/任意接種についてはこちら)。ただし、外傷時の緊急接種は保険適用となります。
【子ども】
ワクチンは定期接種で、四種混合の接種が多く行われていましたが8-10)、2024年4月から五種混合が定期接種化されました。使用するワクチンは五種混合が基本となります。当面の間は四種混合も使用できますが1,7)、四種混合の販売が終了となるため、四種混合で接種を開始している方は、早めに接種を計画してください。四種混合の在庫がなくなった場合、五種混合に切り替えて接種できます11)。
[五種混合]
五種混合の一般的な接種スケジュールは、これまでの四種混合とHib(ヒブ)ワクチンを参考に作成されており、「1期:生後2ヵ月~2歳になるまでにワクチンを4回接種(生後2ヵ月から1回目の接種を始める)」になります1,7-9,12)。
[四種混合/三種混合]
四種混合/三種混合の一般的な接種スケジュールは、「1期:生後2ヵ月~2歳になるまでにワクチンを4回接種(生後2ヵ月から1回目の接種を始める)」になります6,8,9,12)。
[二種混合]
2期:11~13歳未満に定期接種として1回接種します8,9,12)。
2022年度「定期の予防接種実施者数」(厚生労働省)によると、4回の四種混合ワクチン接種が完了した子どもの割合(実施率)は91.8%でした10)。
五種混合ワクチンの主な副反応は接種部位の局所反応(はれや痛みなど)、発熱など、重い副反応としてアナフィラキシー(重いアレルギー反応)などがあらわれることがあります2)。