水痘(みずぼうそう)はどんな病気?
水痘(読み:すいとう)は、水痘・帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウイルスによって引き起こされる感染症です1-5)。帯状疱疹も、同じウイルスが原因で発症します(こちらを参照ください)。別名の「みずぼうそう」のほうが、水痘より耳にするかもしれません1,2)。
水痘(読み:すいとう)は、水痘・帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウイルスによって引き起こされる感染症です1-5)。帯状疱疹も、同じウイルスが原因で発症します(こちらを参照ください)。別名の「みずぼうそう」のほうが、水痘より耳にするかもしれません1,2)。
水痘は、主に、空気中に漂う病原体(ウイルス)を吸い込んでも感染します(空気感染)1-5)。また、感染している人のくしゃみやせきを吸い込んだり(飛沫感染:ひまつかんせん)、水痘・帯状疱疹ウイルスが付いたものを触って、そのまま口や鼻を触ったりすると感染することがあります(接触感染)1-5)。
水痘・帯状疱疹ウイルスに感染してから症状が出てくるまでの期間は、10〜21日程度(一般的には14〜16日)とされています5)。初期症状の多くは、軽い発熱と赤いブツブツです1-5)。その後、ブツブツが米粒大まで盛り上がり、水ぶくれや膿(うみ)を伴うブツブツになります1-5)。そして、かさぶたができて治っていきます。一部は重症化します1,5)。このウイルスは、症状が治った後も神経にとどまります。加齢や免疫力低下などで、ウイルスが再活性化して帯状疱疹を引き起こすことがあります(こちらを参照ください)4,5)。
水痘は、頭皮を含む全身に赤いブツブツがみられることが特徴なので、比較的症状を把握しやすい病気とされてきました。一方で、近年はワクチン接種歴がある人における症状の軽い水痘の割合が増加しており、早期診断がやや難しくなっています。水痘のような症状がある場合は、受診する前にクリニックや病院に電話をして、具体的な受診方法を事前に相談しましょう。
【子ども】
かかりつけの小児科、皮膚科などに相談してみましょう。
【大人】
まず、かかりつけの内科、皮膚科などへの受診をご相談ください。
ワクチンを2回接種することで、水痘の発症を予防できると考えられています1,5)。また、水痘にかかっても軽い症状で済み、重症化しにくくなります(重症化予防)3,5)。
【子ども】
小児科のある病院・クリニックなどの多くで接種できます。
【大人】
大人でも内科などで任意接種でワクチンを受けられます。お近くの医療機関を検索するか、かかりつけ医などにお問い合わせください。
水痘単独のワクチン(注射)があります。これは生ワクチンのため、妊婦は接種できません(生ワクチンについてはこちら)1)。
定期接種では、水痘にかかったことのない子どもが、1歳以上3歳未満の間に2回接種します。なお、定期接種の年齢で接種できなかった場合でも、任意接種で積極的に2回接種することが推奨されます。
2022年度「定期の予防接種実施者数」(厚生労働省)によると、1回目、2回目の水痘ワクチンを接種した子どもの割合(実施率)はそれぞれ95.5%、85.7%でした9)。
主な副反応としては、接種した部位のはれや赤み・しこり、接種直後から翌日に発熱やブツブツ、かゆみなどがみられることがあります。重い副反応としては、アナフィラキシー(重いアレルギー反応)、急性血小板減少性紫斑病(きゅうせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう)などがあげられます1,4)。