ヒトパピローマウイルス感染症はどんな病気?
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば国により50-85%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルス感染症です1,2)。女性における子宮頸がん(しきゅうけいがん)だけではなく、性別を問わず肛門がん、咽頭(いんとう)がん、尖圭(せんけい)コンジローマ等、多くの病気の発生に関わっています1)。
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば国により50-85%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルス感染症です1,2)。女性における子宮頸がん(しきゅうけいがん)だけではなく、性別を問わず肛門がん、咽頭(いんとう)がん、尖圭(せんけい)コンジローマ等、多くの病気の発生に関わっています1)。
HPVは、皮膚と粘膜が直接触れることによって感染すると考えられています3,6)。性的接触が代表的です1,5,6)。
HPVは、感染してすぐに何らかの症状を起こすわけではありません。しかし、HPVの一部の種類(型)が、持続感染した場合がんを引き起こすことがあります4,6)。HPV関連疾患として代表的なのが子宮頸がん(女性のみ)で1,3-6)、肛門がんや腟(ちつ・女性のみ)がん、咽頭がん、陰茎(いんけい・男性のみ)がんなどを引き起こすこともあります1,3,6)。また、一部のHPV型は、性器に良性のいぼを生じることもあります1,5)。
がんは、進行するまで症状がないため気づかない/気づかれないことがあります。大切なのは、がん検診による早期発見とワクチンによる予防です3,4,6)。
HPVには子宮頸がんを起こしやすい種類(型)があり、ワクチンは一部の感染を防ぐことが可能です1,3)。9価ワクチンは子宮頸がんを起こしやすい7種類の感染を防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます1,3)。
一部のクリニックや病院では、HPVワクチンを常備していない可能性があります。受診前に電話などで確認するか、定期接種の場合はお住まいの市区町村に問い合わせたほうがよいでしょう。
【子ども(小学校6年生〜高校1年生)】
小学校6年生〜高校1年生は、小児科のある病院・クリニックなどの多くで定期接種として接種できます。
【大人(高校2年生以降)】
産婦人科や内科などで任意接種として接種できます。
現在、1種類のHPVを予防するワクチン(注射)があります1,3)。
現在、日本国内で公費による接種が可能なワクチンは、9価ワクチンのみです。
2025年度まで、定期接種に用いるワクチンとして2価ワクチン、4価ワクチンも位置付けられていました。
定期接種は原則無料です。任意接種は費用(原則自己負担)がかかります(定期/任意接種についてはこちら)。
【子ども(16歳以下)】
12~16歳(小学校6年生~高校1年生相当)の女子は、定期接種になっています。標準的な接種年齢は中学1年生相当(13歳になる年度)です。
一定の間隔を空けて、接種します。15歳以降に初回接種をした場合の接種回数は合計3回ですが、15歳までに初回接種をした場合は合計2回で接種を完了することができます。
原則として同じ種類のワクチンを接種することが推奨されますが、過去に途中まで2価、4価を接種した人の場合、医師と相談のうえ、残りの接種を9価に変更して完了させることができます。この場合も適応年齢であれば定期接種の対象となります。
なお、9価ワクチンは国内でも9歳以上の男子に任意接種ができます。一部の自治体では男性への任意接種に対する補助金制度があります。詳しくはお住まいの自治体にご確認ください。
【大人】
任意接種となります。
2023年度「定期の予防接種実施者数」(厚生労働省)によると、HPVワクチン接種を1回以上定期接種した割合は2価・4価は2.3%、9価は59.5%でした10)。
HPVワクチンの主な副反応として、接種した部位のはれや痛み・赤み、発熱やだるさなどがでる可能性があります3,4)。なお、このワクチンを接種した際に痛みや運動障害といった症状が報告されていますが、ワクチンの影響については不明とされており3)、同一症状はワクチン未接種の人にも認められることが国内から報告されています3,11)。
また、頻度は不明ですが、重い副反応(重いアレルギー反応、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、免疫性血小板減少症)が起こることがあります1)。接種後に体調の変化や気になる症状が現れたら、まずは接種を行った医療機関などの医師にご相談ください。ワクチンは合計2回または3回接種しますが、1回目または2回目の接種後に気になる症状が現れた場合は、2回目以降の接種をやめることができます。